新型コロナウイルスの感染拡大で、テレワークや在宅での勤務が広がっている。それに伴って利用者が急増しているのが、ネットを使った米国発のテレビ会議システム「Zoom(ズーム)」だ。ところが、最近になって多くの不具合が指摘されるようになり、開発元が謝罪する事態になった。日本の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)も今月に入って注意を呼びかけている。どこに問題があったのか。
ズームは、複数人で同時に利用できるテレビ会議システムだ。背景だけを別の画像に切り替えたり、画面を共有したりすることもできる。スマートフォンでも使えることや、アドレスを伝えるだけで参加者を招待できる手軽さもあり、利用者が急増した。開発元のズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ズーム社)によると、昨年12月末に最大約1千万人だった1日の利用者は、新型コロナの感染拡大で各国の政府などが外出を禁じたり自粛を求めたりしたのに伴って、3月には2億人超にふくれあがった。
利用者の急増とともに顕在化したのが相次ぐトラブルだ。
米連邦捜査局(FBI)は3月30日、ズームを使った学校のオンライン講義中に何者かが勝手に侵入し、教師の自宅住所を叫ぶといった複数の妨害行為が報告されていると発表した。テレビ会議を公開したり、会議へのリンクを広く共有したりしないよう、注意を呼びかけた。
ズームを使ったテレビ会議で、勝手に入ってきた第三者がわいせつな画像を表示させるなどの妨害行為は、ネット上で「Zoombombing(ズーム爆撃)」と名付けられ、被害報告が相次いでいる。
ロイター通信によると、米宇宙ベンチャーの「スペースX」は、「プライバシーとセキュリティー保護に関する重大な懸念」があるとして、従業員のズーム使用を禁じたという。
ズーム社の最高経営責任者(C…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル